なんていうか、全てにおいておかしかった。
だって、10年ぶりに再会した幼なじみ(女)が、二次元限定ロリコンおまけにギャルゲマニアになってたんだぞ!?
どう考えたっておかしいだろ。
「なに1人でボーっとしてんのさ。」
ほーら来た、全ての元凶が。
「別に。」
俺はそのまま歩き続けた。
「ねぇ、唯斗。頼みがあるんだけど…」
「頼み?どんなのだよ。」
どうせロクな事じゃないくらい分かっているが、まぁ…まともなのもあるだろうから一応聞いとくけど。
「あのね、コレ買ってきてほしいの!!」
そう言って彩菜が見せてきたのは、どっからどう見ても美少女ゲーム専門誌だった。
二次元の幼女やら少女しか載ってない。
「分かんないの?ゲー専誌。」
わけの分からない略語を使ってきた!!
「それくらい分かるわ!!コレをどうしろって言うんだよ!!」
「だから、この印の付けてあるの、お金渡すから全部買ってきてほしいの!!」
彩菜が持っている雑誌…というか印の付いてあるモノを見ると、どれもかわいいと思うが1つだけ共通点があった。
「全て18禁の気がするんだが…」
「そうだよ、それがなに?」
彩菜は平然としている。
「つまり、お前は中学2年の俺にR18指定の美少女ゲームを買って来いってんのか?」
「うん、そう。だって、誰も知らない私の最大の秘密を知ったんだよ?それくらいはしてもらわないとね。」
彩菜はニコニコしている。
「自分で行けよ、それくらい。」
「無理に決まってんでしょ?」「……確かに。」
彩菜は容姿が幼すぎるんだ。
おまけに高めのツインテール。
まぁ、俺も多少は童顔だが身長はあるからな…デカくもないけどな。
「だから、行ってよ!!」
「…断るってったら?」
一応、聞いてみる。
「ん?唯斗のメール、ハッキングして世界中にバラまく。」
笑顔で恐ろしい事言ってきた。
「……分かった。行けばいいんだろ…」
「やった!そうこなくっちゃね★」
こうして俺は彩菜の買い物に行く事になった。
犯罪とはいえ、本気でハッキングされてばらまかれたくはないからな。
というか、彩菜なら本当にやりかねない。
何せ10年の間にどうしようもない趣味を持っちまったヤツだからな。
全く…とんでもない秘密を知ってしまったな、と今さらながらに後悔する俺だった。