新が、私たちのことを誰かに話すわけない。
やっぱりどこかで見られたんだ…
新… 新と話したい。
ピンポーン♪
夜の11時に家のチャイムが鳴った。
今日のFAX騒ぎ、女の子からの電話があった為、私は恐る恐るドアに近づいた。
ドアの穴から覗くと…
そこには新が立っていた。
「新!」
私は思いきり新を抱きしめた。
「真理さん…ごめん。ずっと連絡できなくて…」
新も私を強く抱きしめた。
「新、大丈夫なの?こんな時間に…」
「平気。お母さんにはバレてないから…」
部屋に入り、ふたりで腰を下ろすと、新はこの5日間のことを話し始めた。
「実は…元カノが…俺と真理さんを映画館で見たらしくて…」
やっぱり…
「ごめん。地元から離れたつもりだったから…。あんなところでキスなんてするんじゃなかったわね…」
「俺と真理さんは、間違ったことしてないよ…。俺が真理さんを好きなんだ」
新はまっすぐに私を見つめ、はっきりと言った。
「ただ、彼女が…自分ともう一度付き合わないと、親とか学校に言うって…」
「脅してきてるのね」
「そんな感じ…。それで携帯も取り上げられたり、行動を監視されたり…」
「そんな事になってたなんて…」
「それで…考えたんだけど…」
新は真剣な表情で言葉を続けた。
「お母さんに、俺と真理さんのこと…話してみたらどうかなって…」
続く