「ここか」
そう言って青年ダニーは車から降り立ち、助手席に座る男性もそれに続く。
そうして外へ出た二人の目に飛び込んできたのは、一件の古びた住宅…。
外壁は全体鉛色に汚れ、周りに展開している庭も手入れされていない為か、雑草が茫々と生い茂っている…。
「来たわね」
その時、1人の女性が二人の前に現れた。
茶色い瞳に茶色い髪。
そして抜群のプロポーションを誇る長身の美女である。
「ウェンディ、あの家だな?」
男が尋ねた。
「ええ。行きましょ。レイ、ダニー」
二人は頷き、迷わず真っ直ぐとその住宅へ歩を進める。
「はぁ、最近は人捜しばっかり。いい加減飽きるぜ」
深く溜め息をつき、思わずダニーは愚痴をこぼしていた。
「…我慢しろ。俺達は便利屋だ。その事を忘れるな」
「…そうよ。いちいちそんな事を言っているようじゃあ、この仕事は務まらないよ…」
二人の言葉を聞き、納得のいった笑みを浮かべるダニー。
その足は自然と駆けていき、あっという間に彼は住宅の扉の前に立った。
「相変わらず好奇心が強いらしいな」
「そのようね」
二人はお互いの顔を見合わせ、軽く笑い合った。
「レイ、鍵は空いてるよ。どうします?」
そう尋ねるダニーに、レイは懐から拳銃を取り出して答える。
「構わない。突っ込むぞ」
レイのその言葉を合図に、ウェンディとダニーは一斉に拳銃を取り出した。
「準備は良いな?」
拳銃を構えながら、レイは二人を見つめる。
「ええ」
「オーケーだ」
二人の自信に満ち溢れた表情に、レイは思わず笑みを浮かべると、迷わずその古ぼけた扉を勢い良く開け放つ。
レイを先頭に、三人はそれぞれ拳銃を構えながら慎重に中を進んでいく…。
足下には無数のゴミ袋や汚れた衣服等が転がっており、壁は鮮やかなペイントで彩られていた…。
続く