翌日は学校も休日で
空はペンキで塗ったような
青色だった
猛「はーちゃん!
外、行こう」
波「…いや」
やはり波音は布団から出ない
猛「…あかん、
いいから行こう!」
いつもの猛らしくない言葉に
波音はついに顔を出した。
目を丸くしてじっと
見つめていた
――猛「天気ええなあ」
波「…」
二人はいつもの公園に来ていた
猛「ほら、はーちゃんも
草の上で寝てみいや」
猛はごろんと草むらに
寝そべった。
波音はしぶしぶ
草むらに座った
波「…」
猛「なあ、はーちゃん、
俺な、父さんのとこに
行こうと思うねん」
波「え?!」
猛「やっぱ今のままでは
おれないし…」
波「なんで?なんでタケまで…」
波音の目に涙が浮かぶ
猛「俺らさ…ばらばらになるけど
だからこそ、もっと前向きに
考えへん?
先生も…」
波「うちだって、
お父さんの体調悪い時、
大丈夫やって
ずっと前向きに考えてた!
でも…あかんかったやん…前向きに考えたって
何もいいことなんてない。
前向きに考えれば考えるほど
期待が裏切られたとき
もっと辛くなるやん」
波音の目から涙がこぼれた