猛「…そしたらまた
その時前向きに考えたらいい」
猛はいつもより落ち着いて
静かに言った
猛「神はできひんことは
与えへんとか、
止まない雨はないとか
言うやん?
なんかあっても人は絶対
乗り越えられるし
嫌なことはいつか終わる。
だったらさ、うまくいかへんとき
いくらでも前向きに考えたら
ええやん。
それでもうまくいかなかったら
また前向きに考えなおせばいい。
確かに期待すればするほど
裏切られた時、しんどいよ。
でも…そんときまた
プラスに考えたら
ずっとプラスやん。
何回でもプラスに
考えたらええねん」
波「…」
猛「俺とはーちゃんは
もう家族としては
一緒におられへん。
でもな、だからこそ
今までは言えへんかったことが
今は俺…言える。
俺は波音が好きや。
家族としてじゃなくて」
波「…!」
猛「だからね…俺…
今は無理やけど
そのうちまた、今のとは違う
波音の新しい家族になれるように
頑張る。」
波「なっ…」
波音の顔が真っ赤になった
猛「俺は…」
猛はがばっと上半身を起こし
波音を見つめた
猛「俺は波音のだんなさんに
なったるねん!」