君に捧ぐ 〜17〜

k-j  2009-11-05投稿
閲覧数[384] 良い投票[0] 悪い投票[0]

あのときは何が原因で喧嘩になったのだろうか。
最寄りのJRの駅の近く。
 雨が降っていた。
君はやはり泣いていた。
僕はやはり怒鳴っていた。
君はしゃがみこみその場から動かなくなった。
僕は君を立たせようとしたが、君は抵抗した。
別れてくれと君は言っていた。
 そのうち人が集まってきた。
警官も来た。
僕は事情を説明した。
「事情は分かった。あとは私に任せて君は帰りなさい。君がそばにいると彼女を刺激してしまうからね」

そう言われ先に帰った。
帰ってからもずっと心配だったのを覚えている。
連絡をしたのかは覚えていない。
夜になり君から電話が来た。
「今東中野にいるから来て」
君は警官を上手く帰し、家に帰らず東中野の知り合いの家に行ったようだ。
僕らの最寄りから東中野は近い距離ではない。
しかも時間は終電間際だった。
僕は家を飛び出した。
ギリギリで終電に間に合い、東中野に着いた。
君に連絡をすると、知り合いの人が迎えに来てくれるという。
指定された駅のすぐ近くのコンビニの前で待っていると一人の女の人が近づいてきた。その人が「知り合い」の人だった。
その人の家に行くまでに色々状況を聞いた。
その人と君はネットで知り合ったこと。
君は警官をまいたあとすぐにその人に電話しこっちに来たこと。
家は割と近かった。家というか不動産事務所の上の部屋だった。
玄関にはやたら靴があり、どこに自分の靴を置いていいやらわからなかった。
中には君がいた。君の他に3人ほど男の人がいた。
知り合いの女の人は、数人の仲間とこの部屋をシェアしているらしい。
 小さなテーブルの上には酒と灰皿が所狭しと置いてあり、その奥には布団が3、4人の布団が敷いてあった。
聞くと女の人は風俗嬢で、男の人たちはホストらしい。
その当時高校生だった僕は、普段とは全く違う環境に圧倒されていた。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 k-j 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ