ブルの居所を探しだした二人だったが、挨拶もそこそこに定食を頼む。
聡、「もう、腹ペコで倒れそう」
陽子、「ねぇ、本当!捜したんだよ」
ブル、「なんだよ、飯ぐれぇ、二人で食えば良かったじゃん」
陽子、「だって、定食屋って言ってたし、興味あるじゃん。ブルさん何処居るのか?ねぇ聡」
聡、「ねぇ!でも、室蘭で知り合ったって、なんで?」
定食を二人に渡しながらマスターが、「いやぁ、実は俺が室蘭の田舎道でね、前輪、側溝に落こっちゃって困ってたら、ちょうどブルが通りかかって助けて貰ったんだよ」
ブル、「そしたら?旅してんだろ?家に来い?って。マスターも前は東京でさ、でこうなったんだ」
マスター、「ブルがここ来るの三度目だけど、人連れて来るのは初めてだな…友達いねぇと思ったが」
ブル、「余計なお世話!」
マスター、「そういえば、今日どうすんの?なんなら泊まっていけよ。なあ祥子」
祥子、「ええ、お二人も遠慮せず、泊まって行って」
ブル、「ありがたいのですが、深夜のフェリーで帰る事に…」
マスター、「なんだよ、ゆっくりして行けばいいのに…じゃあ、フェリーまでゆっくりして行けよ」
残念そうなマスターと奥さんの祥子であった