いじわる先生 17 〜絶対に助かる方法〜

るー6  2009-11-05投稿
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「改札口にいたよ。男が。」
良太が口を開く。
「改札口に、男がいた。オレ見たもん。ある生徒が電車で逃げようとしている所を止められているの。」
「…マジかよ…。」
「優太…そう落ち込むなって。」
幸輔は、優太を励ました。その時、
「お前ら。何やってるんだ。」
4人の後ろに、しかもすぐ後ろに。
良太の背中には、アザルドライフル。
「ひ…ひぃ…」
良太は震えている。
「わ…私たちは…ただ…」涼子の一言も虚しく、
「今から、追尾する。いいな。」

やっぱり、捕まってしまった…
良太の背中には、ライフルが突きつけられているし…何を隠そう、ここは無法地帯。
変なことを言ったら、即銃殺。幸輔はずっとその事を考えていた。
涼子は、かなり震えている。
幸輔は、その涼子の手を握った。さり気なく。
涼子が、『えっ』と言いそうな表情で幸輔を見つめる。
幸輔は口だけ動かした。
『大丈夫』って。
涼子は、少し笑顔になった。でも、すぐに現実に引き戻される。
「何笑ってんだ!」
「……」
2人は、下を向いた。

桜井中学校の近くまで歩いてきた。
「ここに収容する。いいな。」
「はい…」
幸輔達は、従うしかなかった。
「この倉庫に入ってろ。」幸輔は、ある事を思う。
先生がいたら…。
すると、男に怒鳴られた。「早くしろ!」
「あの…。」
「何だよ。」
幸輔は、勇気を振り絞った。先生なら…何か分かってくれるかも。
「1つ、出かけたい所があるんです。」
「何だと?お前…反抗する気か?」
銃口がぐりぐりと幸輔の頭に突き刺さる。
「一緒に来て頂いて結構です。」
「幸輔…お前。」
優太の問い掛けに幸輔は頷く。
これが…みんな…というか3年4組の人は確実に助けられる方法。
男は笑っていた。
「いいだろう。」
こうして、先生の所へ向かった。

2階建ての木造アパート。「出かけたい所ってここか。」
「はい…以前、僕達の担任でしたが、生徒に暴力を振るったとして、今は教師を辞めています。」
幸輔は、インターホンを押した。
なぜ、幸輔はこの男を香山先生の所へ連れていこうとしたのか。
それには、理由があった。

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