水の気持ち

アイ  2009-11-06投稿
閲覧数[328] 良い投票[0] 悪い投票[0]



それは生命の源であったり

空から落ちるしずくであったり

海を作っていたりする

何よりもやわらかくて

この手に乗せてはおけないけど

指の隙間からこぼれたり

瞳を清らかに覆ったりするそれが

私は少しだけ好きだったりする



水はどんな気分だろうか

何人にも阻まれない水

誰にも救い上げてもらえない水

すべてを押し流す水は

どんな想いで存在しているのだろうか

深い森の岩間から湧き出る澄んだ水は

ぷかぷかと浮かぶ空き缶やビニル袋を背負って流れていく川は

人間をどう思っているのだろうか

大切な水

私たちの生命のもと

やわらかいもの



その愛おしさに気づいた人が何人いるだろう

私は水の悲しみを想いながら

グラス八分目までの水を注ぎ

容赦なく飲み干した。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 アイ 」さんの小説

もっと見る

詩・短歌・俳句の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ