泣かない。 泣く訳がない。 それなのに、涙が溢れて来るのは何故だろう? 私は赤く腫れた目をごしごしと擦って、階段を昇った。昇った先には、見慣れた教室がある筈だ。 息を切らしながらも階段を昇り切って、私は扉に手を掛けた。 引けない。 私はもう、この扉を開けられない。
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