「はぁ…はぁ…」俺、神前龍はやってしまった。俺は大切な親友を殺した。手には血がついていて、今水道水で手を洗っている。何とかしなければ。その思いが体を動かした。俺は彼を背負うと、彼の部屋を出た。それから山奥で遺体を埋めた。ここからだ。ここから俺の戦いが始まるんだ…。
龍は自分の部屋に戻ると水道の蛇口を捻り、水で手と顔を洗った。あの感覚が、記憶が頭の中を駆け巡る。龍はそれをふりきり、手と顔をタオルで拭く。
(な…!)龍は少し上にある鏡を見た。彼だ。親友でさっき殺してしまった彼が、龍の肩付近で龍を睨んでいた。
「うわぁ!!?」後ろを見た。しかし何もない。きっと気のせいだ。彼は寒気を覚えながらベッドに入り、眠った。