きっとこの調子ではバレンタインの時も同じように愚痴を零すに違いない。男の心は冬の日本海のように大荒れだ。「にゃー、にゃー」 一匹の子猫が愛媛みかんの段ボールの中から顔を出している。男はそれを発見し、立ち止まり、愛媛みかんの段ボールに近づき腰を下ろした。 「お前も俺と同じか……」と漫画やドラマでよくあるベタな言葉を子猫に語る。当然ながら子猫は「にゃーにゃー」と鳴くだけだ。 「じゃ俺もう帰るわ、優しい人に拾ってもらううんだぞ」 当然の結果に少し残念がり男は子猫を一回撫でて立ち上がろうとした。
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