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meeco  2009-11-07投稿
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花火大会・当日、午前九時―\r
淳は、新橋の某広告会社のロビーに居た。

受付の女性二人は、一階のカウンターの椅子に座って、何か談笑していた。

「あの・・・。」

淳が、カウンターに近付くと、受付の女性二人は、話を中断し、足元から、舐める様に見た。

「総務課の、中川さんにお逢いしたいんですが・・・。」
淳の身なりを見て、受付の女性は、首を傾げて、不思議そうに見つめながら、こう言った。

「中川でございますね・・・。えっ・・・と、、お約束はございますでしょうか?」

「いや、大事な用が有るので・・・、急用なんです・・・。」
「はぁ・・・。少々、お待ち下さいませ。失礼ですが、お名前、よろしいでしょうか?」
「山上淳と言います。」

「山上様でございますね、少々お待ち下さいませ。」
不に落ちない表情を浮かべたまま、受付の女性は、内線電話で、中川が勤務している、総務課へ連絡した。

受付の女性は、不審がる表情で、淳に言った。

「あの・・・、失礼ですが、中川は、山上様を存じていないと言う事でして・・・。」

その瞬間、淳は、受付の女性から、内線電話の受話器を取り上げた。

「おい、良いから降りて来い、俺が誰だか分かんなくても、香里と聞けば、覚え有るだろ!お前に話が有んだよ、中川。」

受付の女性二人の表情は、みるみるうちに固まって行った。

五分程して、エレベーターの方から、中川が淳が居る、受付のカウンター前に向かって、歩いて来た。

「てめぇか、中川ってのは。」
淳は次の瞬間、中川の胸元を掴んで叫んだ。

「僕に、何か用ですか?」

中川は、薄々、淳の事に気が付きながらも、周りの手前、知らない振りをしていた。
「何か用だ?ふざけんじゃねぇぞ!!てめぇ、香里に何した!!!ぶっ殺してやる!」
まあまあ・・・。と言わんばかりに、中川は淳の両肩を二、三度叩いた。

「貴方が誰だか、知りませんが、大きい声出して貰っちゃ困りますよ、人が来ますよ?」

中川は、全て悟った様に、静かに笑みを浮かべた。

淳は、少し冷静になり、声のトーンを下げた。

「じゃあ・・・、麗華の事はどうなんだ!」

「麗華は、僕の大事な婚約者です。麗華が何か?」

中川は、数十メートル先に立っていた、警備員に呼び掛けた。

「この方、ちょっとどうかされてるみたいなんだ、連れ出して貰える?」

警備員二人がかりで、淳が両腕を捕まれた。

「放せ、アイツと話、終わってねぇんだって。中川、てめぇ、覚えとけよ!!香里に二度と近付くな!!」

淳は、そう叫び、ロビーの外へ連れ出されて行った。







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