「…私たち、一緒にいるべきじゃないと思う」
私は言葉を続ける。
「……なんで…」
「新は彼女に脅されてるし、もしもまた万が一、私たちが一緒にいるところを誰かに見られたら…こんな事じゃ済まなくなるかもしれない」
「そんなこと…分からないじゃない!それにお母さんが理解してくれたら…」
「新、もしも郁恵が理解してくれたとしても、私は未成年に手を出した犯罪者よ」
「そんなことっ…」
私は今日病院に届いたFAX用紙を、新に見せた。
「…誰が…こんなっ…」
「さっきの話からすると彼女かもね。でも別の誰かかも…」
「………」
新はFAX用紙を握り、俯いたまま…。
「新、だから…」
「なんで…」
新の目から、大粒の涙がFAX用紙に落ちた。
「こんな事で別れなきゃいけないの!?ただ好きなのに!…それだけ、なのに…」
私は、新を強く、強く抱きしめた。
「…新、約束しよう。新が成人して、仕事もするようになって、その時お互いにまだ気持ちがあったら…その時また再会しよう」
「仕事って………じゃあ…大学行くとして………6年後……とか?」
「そうね…」
ふっと私は笑った。
「6年後の、いつ?」
「そうねぇ…6年後の、今日。あの公園で出会い直すの」
「…6年後の…今日…」
新は、涙を拭った。
続く