段々と…
命の糸がくっきりとしだした。
めぐみの死が近いのに…。
どうする事も出来ない。
いざとなれば、
『甦りの術』を…。
「何考えてるの?(^_^)」じぃっと僕を見つめる。
いつもの帰り道だった…。
くっきりと命の糸は見えているのに、めぐみは元気そうだった…。
「いや…なんでもないよ。」
僕は思わず目を反らした。
「………何かあるんでしょ?ここんとこずっとおかしいよ…?」
めぐみは困った顔をして見つめる。
(もうすぐ…切れちゃうのか…。)
僕は、こうなったら安全な場所へ逃げよう…。
そう考えた。
「いっけない!!」
突然大きな声で、めぐみは時計を見る。
「どうした?!」
僕は慌てて聞いた。
「お母さんと約束があって…すっかり忘れてた…。ジョージ!また明日ね♪(^-^)」
めぐみは慌てて信号を渡ろうとした…。
その時…。
「めぐみ!!」
僕は思わず呼び止めた。
それがいけなかった…。
足を止めて僕の方を振り向いためぐみは…。
跳ねられた…。
なんで…
呼び止めたんだろ…
もう切れそうだったから…
命の糸が…。
僕はそのままへたりこんだ…。
涙が溢れ…
止まらない…。
「ジョージ…?どうした…?」
たまたま通りかかったレンとサクラ…。
サクラはめぐみの姿を見て、時間を止めた。
「おい!何やってんだよ!!あの術使えっ!!」
レンは僕を殴ってめぐみを指差す。
「……俺が、いけなかった。呼び止めたから…。」
頭が真っ白になった…。
『甦りの術』も…
かけられないくらい…。
サクラも、時間を止めるのに限界が来てる…。
僕の親父が…
めぐみを迎えに来た。
「ジョージ…。お前の仕事だ…。最後まで一緒に行きなさい…。」
サクラの術も限界を超え、時間は元に戻った…。
めぐみの糸は…。
もう切れてしまった…。