「ジョージ…何で何にも話してくれないの…?寂しいよ…。」
めぐみは僕にせがる…。
僕は立ち止まり、めぐみを見た。
閻魔の所へ行けば、『甦りの術』が使えなくなる…。
かけるなら今しかない…。
「ジョージ…?」
僕は呪文を唱え始めた…。
だが…。
誰かが…
僕の事を殴る…。
「きゃっ!!ジョージ!!」
めぐの叫ぶ声…。
「お前は死神失格だ…。」
親父はそう呟き、めぐみを連れて行こうとした。
「待って…あたしはジョージに連れてってもらいたい…。お願いします…。」
めぐみは涙ぐみながら、親父を見た。
僕は黙って親父を睨む…。
「…行け。ただし、お前(ジョージ)は王の処罰を受けなければな…。」
「…はい。」
返事をして、めぐみの手をとり、閻魔の所へ進み出した。
「めぐ…あの時、俺がめぐを呼び止めなければ…君は死なずに済んだんだよ。ごめん…。」
命の糸は最初から切れかかっていた。でも僕は自分のせいにしなければ、気が済まなかった。
「ジョージ…あたしはそんなの気にもしてないのよ。あなたに呼び止められて、お母さんとの約束なんてもういいかなって思って、振り向いて…。あなたのせいじゃないわ…。」
閻魔の城の前…。
もう逢えなくなるめぐみは、最後に微笑んで、城へ入ろうとした。
僕はめぐみの腕を掴んで引き寄せ、そっと抱きしめた。
そして…唇を重ねた。
「めぐ…愛してる。これからも…。」
「あたしも…。ありがとジョージ。辛くなるから…。」
僕を押しのけ、めぐみは振り向かずに城へ入った。
僕は判決を聞く事が出来ず、親父からその後を聞いた。
めぐみは天国で暮らしている。
逢いに行く事も出来るが、僕はそれを今でも拒んでいる。
人間はいつか生まれ変わる。
次に生まれてくる時は…
僕も人間で、めぐも人間で…。
また…
愛し合いたいと願う…。
終わり