もしこの扉を開いてしまえば、またいつもの喧騒や穏やかな笑い声が聞こえ、きっと安心出来るのだろう。 でも、私には引く勇気がない。 何だか酷く不安な気持ちが湧き出て来て、扉を開いても何もないのではないかと疑ってしまう。 何でだろう。 『何を失うのが怖いの?』 唐突に姉の声が頭に響き渡る。そうだ。私は恐れているんだ。なくなってしまうことを。
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