「1年の時から今日まで
ずーっとやってきて
みんな同じように
夢見てるんやと思っとった。」
翔ちゃんは黙って
あたしの話を聞く。
「簡単な夢じゃないって
分かってるけど…
生きるためだけに生きて
何が楽しいん?
そんなんうちは嫌。
いつか死んじゃうねんから
それなら好きなことしたい。
生きるためだけに
進路を選ぶのは嫌。」
「みんなもそうちゃう?
バンドよりもやりたいことが
あったんかもよ?」
「…そうかなあー」
「…真央は…そんなに
あいつにギター聞かせたいん?」
「うん!」
「そんなにあいつが好きなん?」
「もう!翔ちゃんいっつも
そればっか 聞くなあ!
これは恋じゃないの!
今はもう…
うちはあいつに…
和にうちがこれだけ
ギターがうまくなったこと、
見せつけてやりたいねん」