「なんだこれ。
隼人は紙切れを拾い上げた。
その紙切れには、
D,V,#,V,D
と、書かれ、裏には、四角いマスが十二個並んでいる。長方形のようだ。
そして、真ん中辺りのマスには、黒い点がある。
「これは・・・?」
「暗号ですね」
零が急に出てきたので、隼人は飛び上がってしまった。
「驚ろかさないでくださいよ!」
「驚かすつもりはなかったのですが・・」
零はそう言いながらじっと、紙切れを見つめている。
しばらくして、零は携帯
を開いて、ボタンを、高速で押しはじめた。
「一体何を?」
「解けました。暗号。」
「え?」
「電話なんです。これは、電話を意味しているんです。」
零の話では、裏の十二個のマスは電話のボタンを表し、表は電話番号を表すという。
「Dはローマ字で500、
Xは10、並べると
50010#10500ですね。」
零は電話を耳にあてた。