呼び人 3

春歌  2009-11-09投稿
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「もー、そこらへんにしときなよ〜。高倉ぁ、イオリンが来てるよ?」
「うるさいっ。お前にメイド服を着せられた俺の気持ちが……げっ、伊織、来たのかよ」
「うん。なんか怒ってたけど」
「怒ってたぁ?え、やだよ。じゃあぜってー外出ねぇし」
「そんなこと言ってないで早く行きなよ。じゃないとそのうちイオリン来ちゃ……」
「遅いぞ中村ー!入るからな」
「ってホラ、来ちゃったし」
勢い良くドアを開けて入って来た伊織に高倉はぎょっとして思わず中村を盾にするように中村を自分の前まで引っ張る。
他のお客はと言うと、いるにはいるが皆この騒動を楽しそうに傍観していた。
たいていが高倉の女装目当ての女生徒客なので迷惑そうにしている人は誰もいない。むしろこれから何が起こるのかを期待している。
中村達のもとへツカツカと歩き、伊織は高倉をキッと睨んだ。
「高倉ぁー!中村の背中に隠れるなんて、お前それでも男か!」
「う、うっせーよ!お前がもうちょっと女らしかったら隠れねぇし!」
「なんだとー!?」
「ぎゃっ」
一番近くにあった机の上のフォークを掴むと伊織は高倉に投げ付ける。
危うく眼にヒットしそうになった高倉はなんとか避けて嫌な汗を流す。
今のは当たっていたら笑い話には出来ないぞ…。
恐るべし、女の執念…!
「で、でも俺だって被害者なんだからな!こんなカッコまでさせられて…っ」
「…ん?そういえば何か変な格好だなお前」
「おせーんだよ!そうだ、これは無理矢理…って何やってんの!?」
カシャッ。ピロリーン。
「…え?」

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