溺れる魚 25

ゆう  2009-11-09投稿
閲覧数[227] 良い投票[0] 悪い投票[0]


あの日から6年後の今、私は新を待っている。


あの時の、あの約束があったから別れた後、辛いときも乗り越えてこれた。

あの約束が、心の支えだった。



でも、いつの間にか…それに代わるものを、見つけてしまった…。



6年の歳月は、長すぎた。



郁恵からたまに新の話は聞いていた。

高校卒業と同時に家を出て、大学で寮生活を送っているらしい。
郁恵は家を出ることに反対したらしいが…。




いつの間にか雨が…
降り出していた。

まるで6年前の、あの日のようだ…。

私は大きな樹の下に移動し、新を待った。



あの雨の日のことを、
思い出していた…

…その時





「真理…さん?」



懐かしい…

新の声…。



「新…」

そこには、あの頃よりも大人びた、スーツ姿の新がいた。


「真理さん、久しぶり…だね」

新が笑顔で軽く頭を下げる。

私も、笑顔を見せる。


6年前の約束を覚えていてくれた…。

本当に来てくれるなんて…。

なんだか胸がいっぱいで… 言葉が出てこない…。

気づくと私は泣いていた。

「…立派に、なったね」



新は、私を抱きしめた。


続く

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 ゆう 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
カールもストレートも自由
2980円で楽々セット!


▲ページトップ