神のパシリ 27

ディナー  2009-11-10投稿
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「…な、何だと…?」

月のパシリから次々語られる事実に、いい加減ゼルは目眩を覚え始めていた。

「…多分、だけどね。彼女には並々ならないモノを感じるんだ。まして、この屑だらけの街では尚更だよ」

ゼルの記憶の糸が深海に垂れ、何かをサルベージしようとしている。

………光の一翼。

いや……

……白き者。

いや……

…我が名は……



………レミエル。



「まさか……」

「ん?思い当たるフシでも?」

「ここに来る前、光の小間使いと一戦交えた。
その白き者は翼を携え、レミエル…と名乗った……!」

「…!…ビンゴだね」

キアも面喰らったようだ。今までになく細い目が見開かれている。

「…光のパシリはあまたいるのは知ってるかな?なんせ今や人類の希望の象徴な神様だからね、光の神は。
その中で、高位の者以外のほとんどが人間を動力源、力の源としてる。いわば一心同体に近い。
人間の信仰心を練り上げ、人間に…

そう、寄生するかのように光のパシリは生み出されるのさ。

神様なのに…何か卑しい感じだよ。人間に執着しながら、それを利用して力をつけようとしてる。

やはり、自分の世界が必要なのかなぁ、どんな神様もさ」

「…さぁな。主以外の神に興味はない」

「ま、ともかくそんなワケだから、撒き餌はレミーシュでいいんじゃないかなぁ」

そう言うキアの表情は、どこか悪戯っぽく、
『わかるよね』
とでも言わんばかりだ。

「…ほら、上手くいけば僕らの手を汚す必要なんてないかも知れないしね」

そのヒントで、ゼルは理解し、思わずにやついた。口元を片方吊り上げ、白い歯がこぼれる。





「なるほど…考えたな、夜の光め…」

その言葉は賛辞だ。

キアは満足げに目を細めた。



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