テレビの音声だけが聞こえてきて、逆に意識が集中してしまい欝陶しいことこの上ない。
『あなたの妹は今あなたのすぐ横にいる…あなたを守っているのだ』
『ほ、本当に…?』
『本当だとも。さあ、悔いることはない。あれは事故だった、妹さんもそう言っている』
『ああぁ…、まなみ、まなみ…!』
『さすがは<呼び人>!妹さんの声が聞こえるのですね!?』
『もう自分を責めないでと言っている…』
女性のすすり泣きと囃し立てるアナウンサーの二重コンボ。霊能力者は声が小さいので大して気にはならない。
ああもううるさいったらありゃしない。
こりゃ寝れねーな、と思いながら冬矢は溜め息をついた。
「何が呼び人だ。阿保くさ………」
ばっかじゃねぇの。
こいつは<呼び人>じゃなくてただの<嘘つき>だっつーの。