遠い遠い君へ

くろ  2006-08-09投稿
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「紅璃ちゃんは、高校どこ行きたいの?」

「え・・・?え〜っと、まだ決まってないんです・・・。」

「そっか〜。やっぱ高校でも吹奏楽続けんの?」

「はい!!もちろん続けます!!」

「じゃあさ、5高なんてどうよ?」

「え?5高ですか?でも遠いですし・・・。」

「大丈夫だよw吹奏楽続けたいなら絶対行ったほうがいいよ笑」

「は、はあ〜笑。考えておきます。」

「おう、考えとけ!」

会話が途切れる。
沈黙が恐い。
つまらない女だって思われたらどうしよう。
必死に話題を探すが、頭が真っ白になってしまい、
何も思いつかない。

こうして、必死に考えてるうちに音楽室についてしまった。

「じゃ、俺、先生に言ってくるわ!
 じゃね。」

「は、はい・・・。」

はあ・・・。チャンスだったのに、高校のことしか
喋れなかった。
私はただの馬鹿か・・・?

でも、5中を薦められるなんて思わなかった。
どうせ吹奏楽やるなら強いとこがいい。

「紅璃〜?」

「あ、七海。。。」

「どうしたの暗い顔しちゃって。」

「私、高校のことしか話せなかった。」

「は〜?ばっかじゃないの?
 校門からココまでどれだけ距離があったと思ってんのよ〜。」

「だって、緊張しちゃって・・・。」

「もう。それが紅璃の悪い癖!
 チャンスはちゃんと生かしてよねッ。
 せっかく作ったのに笑」

「ごめんなさい・・・。」

「まあ、いいや。帰りがあるっしょ?
 私がまたチャンス作ってあげる。」

「は、はあ〜。」

「わかったんなら早く楽器用意して!!
 出席取っちゃうよ!」

「うん・・・。」

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