七海の出席が終わり、練習に行く。
楽譜を取りに楽器庫へ行こうとすると、
先生と晃輝先輩が話していた。
「本当に久しぶりよね〜。
今日はコーチ頼んだわよ!!」
「はい!わかりました!」
「さ、じゃ、音楽室に行ってねw」
「はい!!」
晃輝先輩がこっちへ向かって歩いてくる。
どうしよう。
私は思わず、隠れてしまった。
何してんだろう・・・。
晃輝先輩は案外あっさり、私を見つけてしまった。
「何してんの?」
「あ・・・楽譜を取りに・・・。」
「あ、楽器庫?」
「はい・・・。」
「マジ?俺、も行きたい!」
「い、いいですよ。」
「うわ〜、マジ久しぶり。」
楽器庫は音楽室を出て、2階の空き教室にある。
ふと先輩の方を見ると、先輩は満面の笑みを浮かべていた。
「ふふっ。」
思わず私は吹きだしてしまった。
「え?どうした?」
「いえ、あまりにも先輩が笑顔だったので・・・。」
「マジ?俺変人じゃん(笑)
懐かしくてさー、この階段とか、廊下。」
「そうなんですかー。」
楽器庫に着いた。
「お〜、この古めかしいドアも変わってねーなー。」
「歴史を感じますね(笑)」
「そうだね〜。」
先輩は、そう呟くとドアを勢いよく開けた。
「くさっ。
においも変わってねえ。」
「そうなんですか?」
「うん。あ、今なんの曲やってるの?」
「今卒業式の曲やってます。」
「あ、これ?」
先輩が楽譜を引っ張り出そうとしたとき、
積み上げてあった、楽譜を張るスケッチブックが崩れおちてきた。
「きゃー。」
「あ・・・。」