「別に否定はしないさ」
ミケーロは少女と正面から向かい合った。視線が交差し、奇妙な時間が流れた。
「・・・はは、お兄さんよく見ると格好いいね。特別にサービスするからさ。私を買ってよ」
少女はそういうと濡れた 瞳で、ミケーロを誘うように詰め寄り裾を引っ張った。
「触るな」
ミケーロは表情を変えないままそういうと、乱暴にその手を振り払った。少女はビクッとおびえた表情を見せ、手を引っ込めた。
「あはは。そっか。さっきまで男に抱かれていた女なんて汚くて抱けないか」
ひきつったように少女は笑うと、力なくベッドに座り込んだ。
「ねぇ。シャワー貸してくれる?」
意図がわからなくミケーロは首を傾げた。
「あなたが殺した男の痕を洗い流したいのよ」
少女は疲れたようにそういった。ミケーロが頷くのを見ると、少女はシーツを体に巻きつけて立ち上がりバスルームに消えた。