何だか毎日がパッとせず、陳腐な生活に嫌気がさしている。社会人の朝川実は何か新鮮で楽しい事がないかなぁっと思い原宿の竹下通りを歩いていた。
前方で黄色い服を着た若い女性がビラを配っていた。「すみません。ご協力、お願いします。」と言いながら一人一人にビラを配っている。
実は彼女らにビラを渡され、手に受け取った。”秘密の工場見学ツアー”と書かれていた。実は面白そうだと思い、家に帰ると高校の同級生の健太、正和、剛志に電話を掛けた。三人からは満場一致でOKが出た。その週末に四人は工場見学に行く事になった。
そして日曜日、四人は車を走らせナビにそのビラに書かれていた住所を登録した。そして山梨県の山奥にあるその工場へとたどり着いた。
その工場は予想以上に大きかった。工場の壁には”シークレット社”と書かれている。
「一体、この工場は何を作っているんだ?車、電化製品、食品、とにかく謎が多いなぁ。マジ、ワクワクしてきたぜ!」と健太が言った。
工場に入ると奥から一人の女性が出てきた。「こんにちは。皆さん、今日はようこそこのシークレット社へお越し頂き有り難うございます。今日は工場見学のガイドを努めさせて頂く掛川です。」
とべっぴんなガイドさんに四人はタジタジだった。
「まずは、食材を洗う設備です。ここで商品の食材を綺麗に洗い流します。」なんだ、食品工場かぁっと実はため息をついた。食品工場なら以前、浜松のウナギパイ工場に見学した事がある。しかし、一体この工場は何を作っているんだろうと実は考えた。