ねぇ…大好きなのに。

春樹  2009-11-11投稿
閲覧数[347] 良い投票[0] 悪い投票[0]

優真さんが私を好きだと、言ってくれてから三日後。

夕方6時頃だった。

私の携帯に優真さんからの着信が入った。

「もしもし」

優真さんの様子が少しだけ、いつもと違った。

「はい」

何か嫌な気がした。

「亜弥?俺さ、亜弥にとっては、すごい嫌な話があるんだけど、チャント聞いてくれる?」

元気のない優真さん。

「いいですよ」

優真さんがどんな話しをするか何と無く解っていた。

だから、わざと元気なふりをした。

「亜弥と遊んだ日、あの後彼女と会って別れ様と思ってたら、彼女が妊娠してるって言ってきて…だから俺は今の彼女と結婚する…ごめんな…」

優真さんは、言葉を詰まらせながらそう言った。

「なんだ、嫌な話しじゃないじゃないですかぁ、彼女が妊娠した事嫌な話しって言うなんて最低ですょ」

自分でも何を言ってるのか、何を伝えたいのか、わからなかった。

ただ一つだけ想っていた事。

【春樹の時と同じ様にこの恋も終わった】

「亜弥?ごめんな…ホントにお前の事好きだよ…」

優真さんは電話越しに泣いていた。

「亜弥も好きですよ、謝る事なんて無いですよ」

私は元気なふりをする。

「俺は、ホントにお前に会えて少しの間だけど幸せだったから、それだけはホントだからな」

優真さんの声は真剣で、その気持ちもチャント伝わってきた。

「じゃぁ、幸せになってくださいよ」

前にも言った台詞。

そうして、私のひと夏の恋は終わった。

やっと見つけた春樹に似てる優真さんを、春樹の時と同じ様に失い。

【もう、傷付く恋はしない】

そう思う事で、自分の心を守ろうと思った。

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 春樹 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ