彩音
「なるほど……それは柚姫が悪い」
柚姫
「う……はい」
柚姫はそう、しょんぼりしながら頷いた。
その柚姫の頭には狐の耳とスカートの下からは尻尾がフリフリと揺れている。
裕也
「にしても…今回は早かったな。気付かれるの」
柚姫
「う…………」
裕也はそう言うとクスクスと笑いながら柚姫を見ていた。
ヒビキ
『そんな事より説明してくれません?』
彩音
「そうだな……教えよう水無月家の秘密を……」
そう言う彩音師匠の目は真剣なものに変わっていた。
彩音
「この水無月家は先祖代々、この土地を守ってきた妖狐でな」
ヒビキ
『土地神……ってことですか?』
彩音
「まぁ……簡単に言えばそうなる」
という事は師匠は、狐ってことか……
ん?……待てよ…そういえば……
達也
「そういえば……師匠たちとはじめまして会った時に柚姫、師匠の事を‘おばあちゃん,って呼んでたけど……なんで?」
裕也
「それはな……師匠が今年で428歳だからだよ」
…………………はい?
今、なんとおっしゃいましたか?裕也さん?
428歳って………マジ?
達也&ヒビキ
『「えっーーーーー!!」』
彩音
「ちなみに私もちゃんと耳や尻尾、狐になることだって出来るぞ」
達也&ヒビキ
『「は、はぁ……」』
裕也
「でも…まさか一日でばられるとはな……俺はもう少し経ってからかと思ったけど」
裕也はそう言いながら僕の方を見ていた。
ちょっと待てよ……裕也はこのことを知ってるってことは……
ヒビキ
『もしかしてあんたも……』
裕也
「ああ、俺もお前たちと同じ体験をした」
つまり裕也も僕たちと同じで見てしまったということか……
彩音
「さて、この話はもう終わりだ。ご飯にするとしよう」
そう言うと彩音師匠と柚姫は台所へと消えて行った。
その後、夕飯を食べた僕たちは彩音師匠に連れられ、お風呂の裏手にやって来た。
それから1時間、僕と裕也は釜の前で火の番をした。
ちなみにお風呂に入ったのは師匠と柚姫、実体化したヒビキだった。
それが終わり、僕たちもお風呂に入り、部屋に戻ると僕たちはベットに入り、明日に備えて眠った。