帰りのフェリーに乗り込んだ三人。
行きとは違い、疲れたのか港を離れると、さっさと休んだ。
まあ、フェリーに乗ってしまうとやる事がないので風呂に入った後はひたすら寝るのだが、波が荒れると、目覚めても体がなかなか起きてくれない。
酷いからと途中下車って訳にも…である。
とかありながらもブルは早起きし、海を眺めながらベンチでコーヒーを飲んでいた。
そこへ聡が起きてきて
聡、「おはよう、ブルさん朝早いですね」
ブル、「おう、年だからな。陽子はどうした?」
聡、「まだ爆睡中」
ブル、「起きると、うるせえからいいけどね」
聡、「ハ、ハ!確かに」
ブル、「ハ、ハ!言ってやろ」
聡、「勘弁して下さいよ!怖いんですから」
ブル、「だな?」
聡、「しかし北海道は楽しかったですね。でも…」
ブル、「でも?」
聡、「なんか?良いのかなぁ?って不安が…」
ブル、「日常とは違うから解らんでもないが、しかしな、誰が言ったか?人生は一度きりの夢?ってな。夢ならその場を楽しんだ方が良いんじゃね?旅もだが日常でもさ。苦労も後に笑い話だよ」
聡、「…そうですよね」
楽観的にも思えたが、気が楽になった様な気がした聡だった。