カバに恋する。7

ゆう  2009-11-12投稿
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この人、マンガ喫茶で働いてたんだ…。

そんな感じ、する…。





「あの…その金魚は…」
そう言われ、現実に引き戻された。



あの女の顔が頭に浮かんだ。

綺麗な人だった…。




これが世間で言う3年目の浮気ってやつなの?!

エリザベスに視線を落とすと、あの楽しかった夏祭りのことが、走馬燈のように思い出された。





ポタ…ポタ…ポタ…



私の涙はエリザベスが気持ちよさそうに泳いでいる、金魚鉢の中に吸い込まれていった。





「お……お客様…大丈夫ですか?」


この人、困ってる。

そりゃそうだよね。急に泣き出したりして。


でも、止まらない〜。






「……金魚は一旦お預かりして……当店をご利用されますか?」



「グスッ…そうします…」




「……………このマンガ、オススメです」

その人は私に一冊のマンガ本を渡した。


金魚鉢をカウンターの端に置き、その人は奥の部屋に行ってしまった。



続く

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