それから毎日あのコースを走っているが、奈々さんに会うことはなかった。
『今日の放課後、幹部会があるから第二実習室まで来いよ』ある日、太郎が僕に言った。
いつから僕は幹部になったんだ。てか、幹部なんているのか…。
放課後になると僕は指定された場所に行った。第二実習室に着くとそこには僕を含めないで四人いた。太郎、十番、十一番、七十七番だった。太郎以外は別のクラスらしく本名はわからない。
『よし。全員そろったから、今から重大な作戦のミーティングを行う』太郎は教壇に上がって言った。
みんな洗脳されたかのように真剣な眼差しで太郎を見ている。
『作戦名は…恐怖のドキドキが恋のドキドキに変化するsupermagic大作戦、だ!』
作戦が大作戦になってるし。まあ、大体の内容は予想がつく。夏と言えばきもだめし。きもだめしで奈々さんのハートを奪うという魂胆だろう。
『それは…誰が奈々さんと付き合うように仕組むのですか?』七十七番がもっともなことを言った。
てか、そんな小細工をするようなクラブだったっけ。太郎…本性を現したな。それとも悪魔がとりついたのか?