冷静になって考えてみると、面白そうな話だ。
あの『カルティミア』が一体何をしているのだろうか。
バイカルド王国第三地上部隊、通称『カルティミア』。
その名の由来は先の戦争で名を馳せた英雄、カルティミア・ローデンバーグがこの隊に所属していたからに他ならない。
彼は勇猛果敢に戦場を駆け回り、畏怖と敬意から『死神』と呼ばれたほどであったが、終戦後人知れず姿を消した。
しかし、彼の影響をうけた者は多く、第三地上部隊は多くの志願者が募り、あっという間にバイカルド二番目の隊にまで成り上がった。
フェレットも彼の影響を受け、『カルティミア』を目指しているわけである。
だが、バイカルドきっての部隊となった『カルティミア』がどうしてそんな遺跡にいるのだろうか、フェレットには解せなかった。
何か大事なものでもあるのだろうか、それとも、別の何かが、。
そう考えると知らずにはいられなかった。
「俺も行くよ、ダグラス。」
「マジか?いいんだな?」
ああ、とフェレットは強くうなずく。
「そういうと思って持ってきといたんだ。」ダグラスは背中に手を突っ込むと、もぞもぞと動かし、目当てのものを見つけると、フェレットに投げてよこした。
「随分と準備がいいんだな。」