クライアナノナカ…………………三人目…………

ディナー  2009-11-13投稿
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僕はバーで盛り上がった、その名前も知らない妙な男と朝まで飲み明かそうと、男の自宅へ移動した。

次々と、僕の目の前に日本酒や焼酎が並ぶ。

正直、僕はビールは違うと思うんだよね…。

「さぁさぁ、酒以外何もない部屋ですが、どうぞくつろいで下さいでゲス」

「いや、日本酒に焼酎なんて、アナタ分かってるじゃないですかぁ」

僕は男に酒を注がれ上気分だ。

しかも、それが美味い。
聞いた事のない銘柄なんだけどなぁ…。

「こんな美味い酒、僕みたいな他人にいいんですかぁ?」

「構わないでゲス。人に振る舞う幸せをもらってるでゲス」

「いやぁ、ありがたいっす。…是非、名前だけでも教えて下さいよぉ〜」

「いやいや、本当に名乗るほどじゃ〜…ごき・ぶり夫とでも呼んで下さいでゲス」

爆笑した。面白い人だなぁ。

「はははは、じゃあ、ぶり夫さんですか」

「はははは、そうでゲス」





「そういえば、ゴキブリで思い出した。
僕、昔ゴキブリ大嫌いで、叩く事もできなくて、よく掃除機で吸ってましたよぉ」

「はははは、そりゃ可哀相な話だぁ(笑)
…じゃあ、お兄さんは掃除機の吸い込み口は見た事あるでゲスか?」

「…そういえばないなぁ…ぶり夫さんは?」

「あるでゲス。暗い、くらーい、真っ暗闇でゲスよ」

「へぇ〜…」

「見てみるでゲスか?」

そう言って、彼は掃除機のノズルを僕に向けてくれた。

「どれどれぇ…」

掃除機の穴から見えるのは、ただただ暗い…












………クライアナ。













カチッ。












ウイィィィィィーン。












終劇

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