施設に来始めて、半年から一年が経とうとしていた。
施設に来た初日から色々と声をかけてくれたあの職員とは、
二人で食事をする仲になっていた。
彼の名前は「大資」と言って、
「大きな資産なんて、うちの親腹黒いでしょ。」
と言って笑ったが、
「いえ、大きな資源・資質という意味でしょう。」
と言うと、半泣きで喜んでいた。
きっと、みんなそれぞれに、自分の名前に込められた意味を理解しながら生きている。
そして、名前からも何かしらの、意味や価値を知りたくて、必死なんだ。
「大丈夫だって。神様の目には、どんな人でも『高価で尊い。わたしはあなたを愛してる。』んだから。」
本当にそう思う。
人が、自分だけを見て、自分の価値を見つけるのは、困難だ。
一人一人に、必ず創られた目的がある。
生かされている意味がある。
それを知るには、
創ってくれた方の元に行けばいい。