なるほど、私にも思い当たる節はある。さすがにA子ほどではないが、似通ったモノがないではない。愚痴をもらすではないが、現実よりこちらのほうがはるかに良い。一生いたって良いくらいなんだ。
そうこうしてる内に野原に人が集まり始めた。どこから来るのかは分からない。気が付くと、周りにぽつぽつと人が現れてくるのだ。彼らは腕なり、足なり、所々が霧に霞んだようにボケている。まさに夢見心地である。
新人だろうか、ひどくもじもじしながら向こうから歩いてくる。その時分には私も玄人気分になっていたので、新人に夢のいろはを教えるのをほとんど義務のように感じていた。私はその女に近づき、挨拶した。すると女は無い顔をふせ気味にして「・・・コンニチハ」私ははっとしたが、少し息を整えて「ちょっと歩こうか」心優しい妻に語りかけた
この瞬間にも例の野原に降る者たちは群をなしています。これにて私の近況報告を終えさせてもらいます