{優美、海を触ってごらん。}
優美は、うん。と頷いて海の所に駆け寄った。もちろん、チェリーも。
{浩輔も触って。}
{うん。今、触ってるよ。}
{優美たち、繋がってるねぇ。}
{あぁ、そうだなぁ。俺達、一緒だ。}
{うん。海っていいよねぇ。}
{そうだなぁ。優美は本当に海、好きだもんな。まぁ、俺も好きだけどねぇ。}
{うん。}
{優美、また電話するなぁ。ライブが始まる10分前だから。}
{相変わらず忙しいのねぇ。頑張ってねぇ。}
{おぉ、頑張るなぁ。}
と言って浩輔との会話が終わった。
「電話、長かったな。」
「ごめんねぇ。」
「別にいいけどよ。」
「ほらー、あっちを見て見て。」
はやと、チェリーは優美が指している方を見た。
「ねぇ、綺麗でしょ?」
オレンジ色でまん丸になっている太陽が沈んでいく瞬間だった。海も空もオレンジ色。
「わん、わん、わん。」
チェリーも大喜び。
「すごく、綺麗だねぇ。今までの中で一番、綺麗。」
「俺は、綺麗だなぁ・・・・・・。何もかもがオレンジだなぁ・・・・・・・・・。」
「うん……。」
優美とはやと、チェリーは空に映る夕陽をただだ見つめていた。