私、松永 葵は昨日20歳になった。
高校生だった頃、
私はとても純粋で可愛らしい女の子と周りに思われていた。
そう…あの人に会うまではね。
4年前…
5月10日
高校に入学して1ヶ月が過ぎた頃…
授業中に私にある1通のメールがきた。
それも知らないアドレスから。
”お前のこと好きだ…
川原”
川原…?誰だし。
私は知らない人なのにかかわらず返事を打った。
”宛て先間違ってない?”
私は間違いメールだと思った。
”違うよ!お前、松永だろ?ほら、窓側の前から二番目の席の。”
え?窓側の前から二番目…あ!!こいつか。でも顔は悪くもなさそうだな…
あいつの名前は川原雄太。
”なあ!これから毎日メールするから(^ω^)”
川原からこんなメールがきたので思い切って無視した。
「葵?もう授業終わったよ?笑」
授業が終わってんのにずっとペンを持ってぼーっとしてる私を笑いながら私に話しかけてきたのは親友の平井 彩。
「ああ…彩か。」
「彩か。とは何よー!ってか川原くんってかっこよくない!?もろタイプ!」
川原ってさっきの…あいつか!
「話してみたい!ねえ、葵!一緒にきて!!」
私の腕をぐいぐい引っ張って川原の元に行った。
「川原くん!!」
「ん?えーと平井…彩だっけ?」
「あたしの名前覚えてくれたんだ!ありがとう!」
「おーい!お前、何で無言なんだ?」
川原が私の頭にちょんと指で押した。少しだけドキッとした…何でかわかんないけど。
「べっ別に!」
「葵は恥ずかしがり屋さんなんだよ(^ω^)川原くん。」
「ちょっ!彩!」
「ふーんっ!なるほど。」
川原と話すのをやめて戻ってきた。
「何で葵、川原くんの前であんな態度とるのー?あたしフォローすんの大変だったんだからね!」
「私はあいつ嫌い。」
「何で?川原くんとなんかあったの?でもさ、あ」
「あいつの話はしないで!もう嫌なの。」
彩の話を遮るように言った。
「変な葵…」
ボソッと彩は呟いた。
”もっと話したかった。俺を避けるなよ…”