耳の奥で、火曜サスペンス劇場のテーマが流れる。
今の状況にはピッタリとあっている。
「・・これ、アンの写真じゃない?」
そこには誰かを威嚇するように、ちょっとキバを出したアンが映っていた。
「「えっ?」」
お兄ちゃんと翔ちゃんがやっとあっち向いてホイを止めた。
「アン…え?・・???」
翔ちゃんは理解が出来ないようだ。
私も理解ができる訳無い。ついさっきここに越してきたんだから。
もちろんお兄ちゃんもだ。
「んん〜・・?ってかここどこなの?」
「蓮、ここは駐車場だ。」
何日本昔話みたいに感情こめて言ってんの。
「んな分かりきった答え私が求めている訳ないでしょうに。
この写真の中の場所。翔ちゃん何か知らないの?」
「うん・・。だって俺の家絨毯敷いてあるし。」
「毎日って事はないでしょ。洗濯しない系?」
「臭い系?」
「喋り方が古臭いわ。」
「やっぱ臭い系?」
「黙れ。臭い啓。」
「「ダサッ」」
「絨毯ぐらい洗うわ!!!!でもこの頃雨ばっか降ってて
この前はいつぐらいやったかなー…。オカンに訊こか?」
「今帰ったらヤバくない?超ヤバくない?」
「ヤバい啓ヤバい蓮ヤバい翔。」
「何ノってんねん。変な兄妹やなぁ。」
「「よく言われます」」
「あぁそうですか。」
さて、話を元に戻そう。でなければ延々に続きそう。
「これ日付とか写真に書いてないのか?普通かいてんだろ?」
お兄ちゃんが写真を覗き込む。
多分、私の話を元に戻そうよオーラが伝わったのだろう。
「書いてない・・・切られてるんちゃうん?コレ」
「「・・・」」
そうみたいだ。右隅がスッパリ切られている。
ってか下全体が直線に切られてるから気付かなかったんだ。
誰が、何のためにこんな事…。
次回に続く!!(カッコイイ終わり方しちゃった系)
〜続〜