「キャアアアア!」光輝刀を見ていた信夜に、香織の悲鳴が聞こえた。また化け物が襲いに来たのだろう。悲鳴のする方へと行くと香織が恐怖で立ちすくみ、焔が化け物に殴りかかっていた。
「焔!香織をつれてあの場所に逃げろ!そこなら安心だろ!」あの場所とは昔三人で遊んでいた秘密基地の様なものだ。洞窟で、かなり広く、長いのだ。
「わかった!頼むぞ!」焔は香織を担ぎ、あの場所まで走り出した。
「ここでいいよな…」担いでいた香織を下ろす。香織はまだ気が動転していた。「怖かったぁ…」体が震えているのが焔にもわかる。香織を励ますと安全のために奥へと進んだ。
「何だ?これ?」奥には槍が刺さっていて、その横に投げる用のナイフと入れ物、印が書いてある布があった。
「よし!香織!これで信夜を助けるぞ!」
「えぇ!?使い方なんて分かんないよ!」
「慣れればいいんだよ!いくぞ!」二人は洞窟を抜け、信夜がいるところまで走った。