虫の知らせ 前編

三毛猫  2006-08-10投稿
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私は四歳くらいのころ
弟ができた
弟は生まれつき
障害を持っており
親は病院に付きっきりだった
私は幼稚園の頃から自炊をよぎなくされた
子供のころは怨みに思っていた
祖父と祖母は別に住んでいたが 様子を見に
よく足を運んでくれた
私にとって二人は親がわりになっていた
小学生のころからやくざ事務所に遊びに行くようになり
体を張らない悪さを何回やったか 自分でもわからない
でも祖母祖父のまえでは
よく出来た孫を演じていた
酒もタバコも二人には隠していた
私も堅気の仕事につき
弟も手に職をもち人生のパートナーとも巡り逢えた 私と母達は心から泣いて喜んだ
私も結婚をし娘が一人生まれた 人生最良の日だった
ある日祖父に老眼鏡を買ってあげようと調べてもらった
すると目の状態が悪く病院に行くように進められた
祖父を検査に連れていくとなぜか いろんな検査に切り替わった
前立腺癌だった
私は涙が止まらなかった
もう少し娘が大きくなるまで生きていてほしい

手術は成功した
私は病院に通い
いろんな話しをした

しばらく私は仕事が忙しく祖父に会いに行けなかった

私はこの時のことを今でも後悔している
癌が再発し胃袋の八十%が癌におかされ
膵臓 肝臓 腸 に転移が認められた
・・・・手遅れだった
痛みを和らげるため
足元を見てくる 高いフコイダンも買い いろんな健康食品を買った
祖父はだんだん物事を把握出来なくなった
「おじいちゃんの前で泣いたらだめよ」
母に言われた
頭ではわかっているけど
勝手に涙が溢れてくる
祖父の顔は三ヶ月前とは
別人になっていた
私は出来るだけ祖父に会いにいこうと思っていたが なかなか行けなかった いや 疲れに対して
行きたくない気持ちを
自分勝手に美化していた
親戚が代わる代わる
祖父に会いにきていた
私は休みの日に会いにいくことにした

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