そして、月曜日三人はいつも通りに大学へ行った。しかし、幸信、博之、康介の三人の姿はなかった。
あのトンネルで別れて以来、彼らからは何の音信もなかった。大学の先生も彼らからの両親から土曜日の夜に出かけた以来戻ってこないと連絡があったと言っていたので祐介達三人は先生に尋ねられたが、トンネルの事は秘密にしていた。
そして昼休み、彼ら三人は大学のカフェテリアで食事をしていた。そこに一人の生徒が近寄ってきた。
治という少し代わったクラスメートだ。彼はホラー好きの都市伝説好きの少し普通の大学生とは違った、感じの学生だった。
「おー治。何の用だ？」
「祐介君、今日はいつものメンバーが足りないじゃないか？みんなインフルエンザにでもかかったのかなぁ？」
「そんな訳ねぇよ。アイツら消えちまったんだぁ。トンネルの中で。」と祐介は悔しそうに言った。
「消えた。トンネルの中で。祐介君、ちょっと君、そのトンネルの名前を覚えているかい？」
「ちょっと忘れちゃったよ。」と祐介は言った。
「確か鬼っていう字が使われていたよ。」と雅道が言った。
「鬼？もしかしてあの鬼神山トンネルかい？」と治はびっくりして言った。
「そうだ。鬼神山トンネルだよ。あのトンネル、そんなに有名なのか？」と祐介は言った。
「いいかい、祐介君、あの鬼神山トンネルは心霊スポットとしても有名で、都市伝説でもあのトンネルのちょうど中央にある鬼の像の所でちょうど100キロのスピードで通ると何処か別の黄泉の国に飛ばされてしまうらしいよ。」と治は詳しく語った。
「まさか、俺があの時、110キロちょっと出してたからヤツらは100キロ？そんな、そんな馬鹿な。」と祐介はおどけて言った。
「祐介君、今週の土曜、僕をそのトンネルに連れてってくれないかい？実はあの鬼神山トンネルは現在使われてる新道と古い旧道があるんだ。その旧道の奥には墓地があってね。あそこはよく心霊現象が起こる事で有名なんだぁ。もしかしたら消えた三人について何か分かるかもしれない。」
その後、彼らはカフェテリアで食事を続けたが、そんな気分では無かった。
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