彼達から言い分を聞いた。あの時彼女が急にお腹が痛くなりだした。まだ7ヵ月なのに痛みがきたのに不安を覚え急いで産婦人科に向かってたらしい。事故があった時は友美とは別に救急車を呼び産婦人科に向かわせたと言った。ひき逃げをしてないのが唯一の救いだと思った。
と、心の中ではそう思ったが頭の中では整理がつかない。そうですか・・と言い残し俺は母さんと一緒に友美が待つ病室へと足を踏み入れた。
2日前に集中治療室を出た友美は静かにめをつぶっていた。母さんが
「ほらっ、友美?淳くんがお見舞いにきてくれたよ?起きなさい?」
まるで寝過ごした娘を起こすような感じで話し掛けていた。
「いいですよ。きっと声は届いてますから」
俺は声にならない声で言った。そして母さんと場所をチェンジして友美の1番近くに行き、そばにあった椅子に腰をかけそっと手を握った。
「友美。お前俺の女だろ?こんなんに負けるわけないよなぁ?俺は勝つ事信じてっから。早く目ぇ覚まして、リハビリ頑張ろうな。ずっと俺が付いててやっからよ。以前お前が俺にしてくれたようにな。」
俺は口に出したらまた泣いてしまうので、手を握りながら友美の心に語りかけた。