「あはっ♪顔くちゃくちゃ〜かわいい顔が台なしだぞ♪」
目の前には…
ハーンが笑顔で立っていた。
「うぅ…ハーン…(:_;)」
「死神は??この時間になったらここで会う約束だったんだけど…。」
キョロキョロと辺りを見回し…
「知らない??」
と笑顔で問い掛けてきた…。
「知らない!!1時間前からいない!!あたしを置いてったんだもん!!」
私は喚きちらしてハーンに八つ当たりする。
「あははっそう怒るなよ。俺が連れてくるように言ったんだ。1時間早く来ちゃったみたいだな…。まあいいや…。エリン…。」
ハーンは私の頬に手を当てた…。
「城に入るぞ。」
そう言って、王の前までワープをする。
「何で…。王様に用事あんの??」
ハーンの腕を引っ張りながら小声で話しかけた。
「承諾書…もらわなきゃ、俺ら結婚できねぇぞ。ついでに…ここで式挙げるし♪」
ハーンはニコニコしながら答えた。
口の悪い…。
ついでって…。
ハーンにとっては悪気がある訳じゃない…。
言い方が不器用なだけ…。
「王…俺達の誓いをどうか…。鬼獣族、ケルベロスのハーン・ジャネットと…龍族、ペンドラゴンのエリン・ギルバードは今宵、縁を結びたいと願います。どうか…承諾を…。」
ハーンはひざまずいて、真っ直ぐ王様を見つめた。
「エリン。私はお前を消そうと考えていた…。それは、言い訳かもしれんが、洗脳されたからだ。許してくれるか…?」
王様は私をみて謝罪をしてきた…。
「王様…。私は全て受け止めています。王様のせいじゃない…。許すも何も…。王様はいつまでも、私の見方でいて下さい。」
そう…王様のせいではない…。
「ありがとうエリン。いつまでも見方でいるからな。困った事があれば何でも申せ…。」
王様があんな風に笑うなんて…。
始めてかも…。
「ハーン!!お前は…。お前は魔界を救った英雄だ。承諾書を出そう…!」
ハーンは飛び上がり私を抱きしめた。
いたいくらい…
ギュッと…。