聡の父、謙治が還らぬ人となってから初七日を迎えた朝、聡はバイクでブルの店を訪れた
聡、「ブルさん…」
ブル、「おう、どうした?」
聡、「うん…実はこの忍者(GPZ900R)引き取って欲しいんだけど…良いかな?」
ブル、「あぁ、良いけど…降りるのか?」
聡、「父さんのクラブマンに乗るんだ…子供もいるし、車も…金銭的にね」
ブル、「そうか…オヤジさんのクラブマンにね…喜ぶかもな?オヤジさん。今日、置いて行くのか?」
聡、「うん…でもこいつ、店頭に並ぶの?」
ブル、「いや、個人売だ。オーバーホールしてオレが乗るよ。この間来た?さとちゃん?さぁ、免許取ったんだよ。で、ZZR欲しがってたから丁度良いよ」
聡、「そうですか、良かった。こいつが売られている姿、見たくないし…」
ブル、「あぁ、オレも見たくねぇ」
聡、「今度はオヤジのクラブマンで来ますよ」
ブル、「そうだな、忍者はタマに貸してやるよ。そういやぁ、初七日だったな。そろそろ行くか?」
聡、「はい」
聡とブルは軽トラに乗り店を出るが、忍者が名残惜しいのか、聡の視線は見えなくなるまで忍者に向けられていた。