その日は、土曜日で私は仕事が休みだった。
だから、晩御飯を作って春樹を待っていた。
明らかに二人では、食べきれないほどのから揚げ。
【でも、こっちのが安かったし明日食べれば大丈夫】
そう思いながら、春樹の帰りを待っていた。
そして、春樹が帰ってきた。
明日は春樹もお休み。
お金が無いから、あまり出掛けたり出来ないけど、春樹と二人で居る事が幸せだった。
そんな私の幸せを壊す、春樹からの報告。
「明日あいつら二人で美容院行きたいから、子供見ててって頼まれたから」
平気な顔で、そんな事を言える春樹は、もう私の気持ちなんてどうでもいいのだと思った。
「そうなんだ」
言っても解ってもらえない人に私はもう、伝える事をやめた。
次の日朝から昨日残った、から揚げを夜に食べようと約束して私と春樹は二人で、子供の面倒を見に行った。
子供の面倒を見て居たのは、2時間半位だった。
春樹は2時間半、寝ていただけだった。
友達夫婦が帰って来た時は、もう夕方の5時頃だった。
帰ってきた友達が春樹に
「ホワイト餃子、買いに行こうよ、晩飯食って行くでしょ?」
当たり前の様にそう言った。
春樹は私との約束を破った。
【から揚げダメになっちゃう】
そんな事を考えていたら、私はイライラしてきた。
そのまま、春樹と友達は二人で出掛けてしまった。
私は奥さんと、二人で留守番をさせられていた。
「亮とは、もう会ってないの?」
突然奥さんが聞いてきた。
友達と奥さんは、もう七年付き合っていて、私が亮と付き合っていた頃にも、何回か遊んだ事があった。
「会ってないよ」
私の顔が引き攣る。
「春樹の奥さんには、会った事あるの?」
何故そんな質問をしてくるのか、意味がわからなかった。
「あるよ」
私のイライラが増していく。
「春樹の奥さん面白いよね」
何が言いたいのか、全くわからなかった。
「春樹の子供も大人しくて可愛いよね?亜弥ちゃんは子供作らないの?」
奥さんの意味の解らない質問。
私はもう、どうでも良かった。