俺は今年で16歳になる。16
歳といえば青春真っ盛りの時期な
んだけど俺は今の今まで『彼女』
がいた経験がない。え?何故かっ
て?それは俺に勇気が無いからだ
と思う。確かに好きな人は今まで
何人かはいたが結局言えずじまい
なわけで・・・。
彼女はいなくても幼なじみはい
る。名前は『佐藤 奈々‐さとう
なな‐』って言う奴で、男子か
らの人気もそれなりに高い女子だ
。髪は金髪で頭の後ろでまとめて
あって、背の高さは160後半だ
った気がする。
「シンちゃん(俺のあだ名)おは
よ。」
「・・・う・・・ん。」
「早くしないと遅刻しちゃうよ。
」
俺の朝はこんな感じで隣の家か
ら侵入してきた奈々のおはようコ
ールで目覚める。
「今何時?」
「7時半。早く着替えて降りてお
いでよ。」
そう言うと奈々は1階に降りて
行った。ほとんどが1人暮らし状
態の学園都市で俺達は親元を離れ
て朝と夜(晩ご飯)は基本的に2
人でいる。そして奈々はいつも朝
になると侵入してきてご飯を作っ
ている。
「今日は何?」
「う〜んとねぇ。ご飯とお魚とお
味噌汁と卵焼き。」
「本格的だな。」
着替え終わった俺は奈々と朝食
をとった。
「じゃあ学校行くよ。直通タクシ
ー(オールコンピュータ)呼んで
おいたから。」
「へいへい。」
そして俺達2人はタクシーに乗
り込んで学校へ向かった。
ここで俺達の暮らす『学園都市
』について説明しておきたいと思
う。
俺達の暮らす『学園都市』は文
字通り様々な学校が集まって出来
た都市だ。面積は愛知県の半分で
200万人の人口が密集して生活
している。人口のほとんどは学生
だが、病院や研究施設もある為に
医者や研究者もこの学園都市で生
活している。学生は親元を離れて
それぞれの学校に寮に入って生活
している。俺と奈々も寮に入って
いる。中には学園都市の外から通
学している奴もいるらしいが、実
際には見たことはない。
学園都市は学校や研究施設、病
院などが密集している為科学の発
達はずば抜けている。都市中にあ
る風力発電、建物に必ず設置され
ているソーラーパネル、そしてコ
ンピュータによるバスやタクシー
などの運行。これらは全て学園都
市オリジナルだ。
結果的に言うと科学の街だ。