『そうですね。奈々さんの幸せは俺たちの幸せ。手を貸しましょう』七十七番が言った。
『俺も賛成』十一番が言った。
みんな…本当に洗脳されているのか?そうか!みんなも悪魔にとりつかれたのか。
『圭護、お前はどうなんだ?』太郎が訊ねてきた。
ここで「嫌です」と叫んでも結局何も変わらないだろう。常任理事国みたいに拒否権があればいいのに…。
『すばらしい作戦だ』
これでいいだろう。
『では、作戦の内容を教える。ちなみにこの作戦は幹部と俺だけで行うから他の者には喋るなよ』
さすがに太郎も、ファン全員を納得させることができないとわかっているのだろう。
『作戦は今週の金曜日に行う』
今週の金曜日…。早いな。
『奈々さんが下校している途中で、変装したお前たちが奈々さんを襲う。そこで俺がさりげなく登場し、お前たちをぶっ殺す。すばらしい作戦だろ』
『えー』僕は思わず叫んでしまった。
『すまん、圭護。ぶっ殺すは言い過ぎた』
そっちじゃないし…。てか、その作戦ってドラマで時々見るような気がするが。それも、絶対失敗するし…。
十番、十一番、七十七番は納得しているように見えた。ありえない…。