彼女は私の胸元に触れ、色っぽい声を上げる。
「女を買いに来た」
「ご指名は?・・・私?」
「いや・・・紅桜を」
私は遠くの一点を見つめ、そう呟く。
彼女はそれを聞き、ふて腐れたそぶりを見せる。そしてまた甲高い声を上げる。
「お侍さん!あの娘はよしたほうがいいわよ!気が強いし・・・あなたじゃ、手なづける前に食い殺されちゃうわ・・・確かに、若くて容姿も綺麗だけど・・・」
「かまわん。紅桜を」
「でも・・・あの娘高いわよ。あなた、払えるの?」
「・・・・・・」
「ねぇ、お侍さん、あの娘はよそう。私が相手してあげるから」