ねぇ…大好きなのに。

春樹  2009-11-27投稿
閲覧数[418] 良い投票[0] 悪い投票[0]

その日海に行く為、私と春樹は朝早く起きた。

私は、春樹がトイレに行っている間に、昨日の火傷にバンソウコウを貼った。

それから、私が握ったお握りを春樹がアルミホイルに包んで、二人は車で海に向かっていた。

家を出てから1時間半位経った頃だった。

私の腕のバンソウコウが目に入った春樹が聞いてきた。

「どうしたの?」

「わかんないけど、擦り傷みたいになってたから、一様バンソウコウ貼ったの」

私は、絶対に怪しまれない様に笑顔で答えた。

楽しい時間を、壊したく無かった。

その日は、朝から雲っていて、午後になると雨が降ってきた。

私と春樹は急いで車に荷物を乗せ、着替えて帰る事にした。

帰りの車の中で、春樹が少し不満そうな顔をしていた。

「楽しかったね」

私が笑いながら言った。

「でも、天気悪かったじゃん」

春樹が、運転しながら言った。

「その方が記憶に残るもん」

私は、ただ春樹と二人で海に行けただけで、幸せだった。

「来年は、天気が良い日に行こうね」

春樹が言った。

「うん」

来年の約束。

その日は嫌な事、全部忘れて居られた。

家に帰って来てから、春樹が言った。

「来年は、水着買ってあげるからね」

【水着なんて、いらない春樹がずっと亜弥の傍で笑って居てくれるだけで、亜弥は幸せなんだよ】

そう思いながら私は春樹の気持ちを受け取った。

「うん」

洗濯物を干しながら、笑顔で頷いた。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 春樹 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ